M君(主人)について

私の主人、M君は優しくて無口。

だけど、話始めると止まらない時もある。


急にいそいそとDVDをセットし再生。食事中なので私も一緒に観ることになる。この時、何も言わないため内容は始まるまで分からない。突如、「アメトーーク」が始まる。1枚のディスクにすんごーい量を録画してらっしゃるンデスネ…。す、好きなんだ~…。
アメトーーク」は○○芸人達が、○○について熱く語る番組。例えば○○が仮面ライダーだとする。「へー、仮面ライダーて歴代でこんなにいるんだ」なんて、何気なくコメントしたら最後、スイッチがオンになり「いちばん最初がこいつで、次が○○で、俺が好きなのは4代目のブラック。こいつがねー、うんたらかんたら」
…ごめんなさい。いっさい頭に入りません(;・ω・)

まー、好きなことや興味あることはひたすら話してる。けれどM君は話の着地点がよく分からないことが多い。いつ終わるんだろう。出来たら私は、芸人さん達の簡潔明瞭な話が聞きたいので「うん、うん」と相づちを打ちながら、さりげなくDVDを巻き戻す。それでも話続けているときは、「ちょっと(この場面)観たい」と、一旦遮る。きりの良いところで、「それで、○○って?」促すと、再び楽しそうに話す。


また、ある時は私がキッチンで夕食の準備中、後ろに立ち、その日の出来事を延々話すこともある。「うん、うん」と相づちを打ちながら「後にしてくれないかな~」って思う。




でも…でも…(ノд<)プルプル


結婚して一緒に暮らし始めた頃は、さ~っぱりしゃべらなかったんですよっ!あの頃に比べたらすごい進歩で嬉しいんです。だから嫌ではない。


去年の10月は引っ越しやら入籍、その他手続きで忙しく必然的に話す。でも11月に入ると…
M君「…………」
私「…………」

何かしゃべらんかーい!((( ;゚Д゚)))


出会って結婚する6ヶ月の間、緊張しながらかなり頑張って話してくれていたけれど、まだ緊張してる?
私は、どうせ一緒にいるなら楽しく過ごしたい。それには会話が必然となる。
しばらくは、私から色々と話題を振ってみたけど、さーっぱり会話が弾まない。それどころか返事すら返ってこない事もあり、私の不満が溜まっていった。

「ねー。何で喋らないの?」
「まだ、ちょっと緊張して…」
「えーっ!まだしてるのっ?もー、隣にいるのはオッサンだと思えばいいよ(笑)」
「…いや、それは…」

初めはこんな感じ。



また別の日。無言のまま、夕食が10分経過した頃。

「ねー。何か話して」
「え…ーっと…」
「…」
「…………」
「あ、そういえば今日ね(だめだこりゃ)」



そうそう。前の記事で私の目標に

子供をポーンと産んで二十歳まで育てて自立させたらあとは自由だ。


と、ありました(`ー´ゞ

計画通り、すぐさま第1子を授かりまして、つわりとの戦いが始っていた頃でもあった。
私のつわりは、ずっと車酔いしてる感じ。何か口にしていたらマシだけど、とにかくきつかった。
それも重なって、余裕が無くなってたんだろうなー。

毎日、仕事から家に帰りつく頃、私の気分の悪さが最高潮になる。家事が手に付かず、ほぼ横になっている私の代わりに、慣れない(と、いうか1度もしたことがないらしい)料理を作ってくれた。洗濯もしてくれた。

あー…、何で私ばっかりしんどい思いしなきゃならないのよー…。せめて、何か話してよ。ちょっとは気が紛れるのに…。気持ち悪いー。うぇ…。

余裕がないと、ほんと自分中心になる。

M君だって、生活スタイルが変わり、慣れない家事だって一生懸命こなしてくれていたのに。





爆発しました。

感情が抑えきれずにM君に当たりました。


話しかけても返事が無かった、というのが原因で。

「何で、黙ってるわけ!?」

自分でも驚くほど、大声で怒鳴り付けた。
M君は下を向いて

「ごめんなさい…」

あ~っ!もうっ!

「謝罪じゃなくて、理由を聞いてるんだけどっ!」


少し離れた場所にいたM君は、いつもの場所(私の斜め横)にちょこんと座る。


座っただけ。
時計なんて確認してないけど、恐らく5分以上は黙って、ただ座ってた。


何かしら、言い分があるのだろうと待っていたけど、いい加減に気分が悪くなってきた…。
最近は、クレンジングやシャンプーの匂いも駄目で吐いた。今夜はお風呂も止めておこう…。12月で良かった。
「…もう、寝る。」


こんな日がしばらく続いた。(´д`|||)ヒェ~

あとですね、切迫流産と診断されまして安静の指示があり、仕事も2週間休みました。嫌なことは重なるもので、当時は賃貸アパートに住んでまして。壁が薄く、お隣の奥様がお子さんを叱る(というか感情的に怒ってる)大声が、毎日聞こえてきて。始めのうちは、子供さん3人だから大変なんだろうな、と思い我慢してたけれど…。

「うるさーい‼」

爆発が徐々に増える。このままではヤバい。


「隣の怒鳴り声がストレスだからしばらく、実家に帰って良い?(8割ウソ)」



年が明けて1月。
車で20分の場所に一時避難(。>д<)


ふーっ…。参った、参ったー。

実家では、同じ事を繰り返し話す父と、ややトンチンカン(能天気)な母が相も変わらず迎え入れてくれた。

そして、M君に対しての不満をプリプリぶつけ困らせてしまった。ゴメンナサイ(小声)



料理がキライ(しかもつわりで匂いが無理)な私にとって、3食付きの実家はパラダイスだったけど、世間体を気にする父に気を使い半月程でM君の元へ。



M君は、私がいない間も自分でお弁当を作っていた。えらい。私ならコンビニですませるけどなぁ。

見直したー!って、思ったけど、こちらも相も変わらず喋らない。(ノд<)フー…


あれ?M君、痩せた?
2ヶ月前は少しぽっちゃりしてたのに、ちょうど良い感じになってる。

「うん。10㎏減った。」


ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ!マジっすか!

…明らかにストレスだよ。どうにかしなきゃこのままではM君もヤバい~!


2月半ば。
相変わらず、気まずいままの夕食でイライラの私。
感情的になってはいけないと、頭では分かっていても、この日も爆発した。内容は忘れたけど、私の問いかけにずーっと黙ってるM君。

明日、仕事だし後片付けしなきゃ…。時間が勿体無い。


「片付けるから。何か言いたいことがあったら台所に来て。」
と、立とうとしたら

「…あの…俺がしゃべれないのは…。」


(゜Д゜≡゜Д゜)?

え?

座り直す私。じっと続きを待つ。



ゆっくりと小さな声で話してくれました。

中学の時、友達から投げられた言葉に傷ついてしまい、自信を無くしてしまったこと。その為、一時期いじめにあったこと。

話しながら、初めて涙を流したM君。

いじめられた経験なんて、私もあるけど、もう忘れた。その時は確かに辛かったし自分に自信を持てなかったなー。今となっては、とるに足らない事として私の中で処理してしまっている。

けれど、


何十年経ってもそれが出来ずに、トラウマになる人も居るのか。


…ん?
私は、M君の傷に塩を塗ってグリグリえぐっていたことになる(かも)。猛烈に反省しました。

「何でM君は喋らないんだろう?」
って疑問が解けたせいか、途端に胸がすーっとした。
イライラが嘘みたいに無くなった。

今、思えば目標を掲げて突き進んできたけど、新しい環境と初めての妊娠で不安だったのかもしれない。話を聞いて、大丈夫だよと言って欲しかった。…のかな?


まぁ、寂しかったんでしょうね(恥)


ともあれ、M君の告白をきっかけに私達は
割りと上手く行っている。冒頭参上。


後に分かるんだけどM君は、オジサンのくせに(私より2歳上なだけだが)、かなり純粋だ。今回、初めて涙を見て驚いたが、今後もまあまあの頻度で目にすることになる。


その話しも、また書こうと思います。


ここまで読んで頂きまして、ありがとうございます。

では、また(^o^)